せどりビジネス
参入が容易で副業にも最適
しかし競争激化等で今後の展開は・・・?


 昨年10月の本コラム「ネットオークション」のな
かで、本の「せどり」を紹介したが、この1年で急
速に広がった感がある。もともとは、本を安く仕入
れ高く転売する業界用語で、最近広がった理由は、
ブックオフで仕入れアマゾンマーケットプレイス(
AMP)で売る「最適パターン」が知られるように
なったことが大きい。もちろん、他の古本屋で仕入
れネットオークションで売ってもいい訳だが、ブッ
クオフは、一定期間売れない本は、内容に無関係に
一律105円にしてしまうため、高く売れる本が眠って
いることが多く、仕入れが誰でも容易になった。ま
た、AMPには、オークション以上に、全世界から
あらゆる本を探している人が集まるため、他ではな
かなか売れないような本でも、結構売れるのである。
こうして、ブックオフとAMPの組み合わせが、せ
どりビジネスの普及をうながすことになった。個人
でも数千冊の在庫を持ち、月に数十万円も稼ぐ猛者
も増えており、そのノウハウも資料として販売され
ている。また、携帯電話でISBNコードを入力す
れば、リアルタイムでAMPでの相場がわかり、仕
入時に有効なサービスも多数登場している。

 しかし、最近は、業者に加え、個人の副業として
の参入も増え、ブックオフの105円コーナーには、高
く売れる本は少なくなってきた。また、当のブック
オフも、インターネット販売事業に5億円を投資し、
2007年9月までに本格的に参入すると発表、同市場
で先行するアマゾンジャパンを追撃する。ただ、A
MPがCtoCサービスなのに対し、こちらはBtoC
サービス。そのため、これまでの「せどりパターン」
がすぐに崩れることはなさそうだが、送料が1冊毎
に340円かかるAMPに対し、大量在庫の強みと、複
数購入での送料メリットなど打ち出せば、中古書籍
市場が大きく塗り替えられ、せどり事情が変わって
くることもありそうだ。