ワンセグ
これから始まるテレビとケータイの新しい関係
いよいよ4月1日から「ワンセグ」放送が始まる。
地上波デジタル放送が携帯電話などで見れる新しい
サービスのことで、1チャンネル13セグメントの中
の1セグメントを使うことからこの名があり、今年
末までに全国のほとんどの局が加わる。これまでも
通常のテレビ放送が見られる携帯電話はあったが、
ワンセグにより移動中でも画像が乱れず鮮明な画質
で見られるようになり、消費電力も比較的少なくて
済む。
また、データ放送も受信できるため、携帯の画面
を上下に分割して、上に番組、下にデータ放送を受
信し、通信機能と併用すれば、歌番組を見ながら曲
名などの情報をを確認しつつ、その着メロサイトに
行く、といった使い方もできる。同じ画面からスム
ースに広告主などのサイトに移動させやすいため、
ビジネスチャンスの拡大になると通販会社や広告会
社の期待は大きい。もっとも、テレビ局にとっては、
新たな収益を生みにくく、デジタル放送と同じ番組
を流す「サイマル放送」にとどまらず、独自広告を
載せられる独自放送を始めることが課題だ。法的問
題もありすぐには実施できないが、2008年の放送免
許書き換え時の投入が見込まれ、それにより本格的
普及に弾みがつきそうだ。
利用者にすれば、通信とは異なり費用がかからず、
画質のクオリティも高くコンテンツも豊富で双方向
サービスまで楽しめるため、携帯電話にとっては、
i-mode以上にインパクトのあるサービスとして人気
となる可能性は高い。これでまた、日本独自の技術
と独自のサービスによる日本独自の新たなケータイ
文化が生まれてくる予感がするのは私だけではある
まい。受信端末も、すでにカーナビやノートパソコ
ンにもひろがり専用端末の登場も間近だ。携帯電話
にとどまらない放送と通信の初めての本格的融合サ
ービスとして興味は尽きない。