アフィリエイトバブル
お金を儲けることばかり語られるが
本来の意味や役割に目を向けるべき
4年前にこのコラムで「アフィリエイト」を紹介し
たことがあるが、いまではちょっとしたブームである。
アフィリエイトをテーマとした本も50冊以上出ている。
広告を出す側も受ける側もリスクが少なく、すぐれた
ビジネスモデルとして人気になるのもうなづける。し
かし、最近の動向を見ていると、気になることが多い。
まず、いかにしてお金儲けをするか、という視点で
ばかり語られていることだ。もっぱら、こうすれば月
何十万儲かるとか、いかにして「クッキー」を踏ませ
るか、といったノウハウが喧伝・販売され、商品やサ
ービスを提供する側のポリシーや哲学が欠如しがちだ。
短期的にはともかく、ビジネスとして長期的に成り立
つかは疑問の余地がある。高い報酬を提供する広告主
にも注意が必要だ。情報商品では、報酬額が50%を越
すものもある。携帯アフィリエイトでは、消費者金融
が高額の報酬を提供し、それが月100万円を越すスーパ
ーアフィリエイターを生みだしている主因でもある。
しかも、その提携サイトの利用者は、ブラックリスト
に乗っている人が中心とも聞く。提携サイトは、報酬
の高さに気を取られ、自分の果たしている社会的役割
にまで想いを致す余裕は見受けられない。
また、インターネットとPCがあれば、一人でも、
無料でなんでもわかる・できる・儲かるといった風潮
にも問題もある。自己中心的な人を増やし、社会的マ
ナーやモラルの低下を招いていると指摘する識者もい
る。アフィリエイトをビジネスとして考えた場合は、
顧客リストが得られない点がネックだろう。中長期的
に見ると、自前のリストなしでシステムにのみ依存す
るのはリスクが大きい。ネットワークビジネスに似て、
早く始めた方が得といわれるが、月1万円以上稼ぐ人
は1割に満たない。アフィリエイトバブルはすでに到
来し、この先いつどうなるかはまだ誰にもわからない。