Lモードの可能性

FAX TO機能、受発注端末、契約条件など
期待できる点は多い


 昨年秋のサービス発表以来、開始に向けて迷走を続けてきたNT
T東日本・西日本によるLモード。Lモードとは、液晶画面の付い
た専用の電話・FAXを使う固定電話網によるインターネットサー
ビスのことだが、キャリア同士の確執と総務省の曖昧な対応により
、利用者不在ばかりか、情報提供者も不在の議論が目立っていた。

 本原稿執筆時(3月末)でも、開始時期は明らかにされていない
ものの、なんとか夏前に実現の目処は立ってきたようだ。所詮は、
携帯電話の急増に対する固定電話利用者の確保策に過ぎないといっ
た冷やかな見方もあるが、このサービスならではの期待できる点が
いくつかある。

 まず、iモードに対する優位性として「FAX TO」機能があること
。これは、液晶画面がプリントできるということではなく、Lモー
ド対応FAXであれば、画面をインデックスとして使い、画面に表
示できない各種情報をワンタッチで出力できる機能のことである。
言い換えれば、画面で操作できる FAX ON DEMAND (FAX情報サー
ビス) ということだ。これにより、画面の制約を受けずに、より多
彩な情報を提供し利用しやすくなる。

 また、固定電話として加入者の認証は済んでいるため、各種受発
注端末として活用しやすいことがあげられる。NTT自身もLモー
ドで検索してそのまま出前を頼むといった使い方を想定しているが
、商店等の受発注端末にも便利なはずだ。

 さらに、情報提供契約の条件が、例えて言えばiモード型ではな
く、ダイヤルQ2型になりそうなこと。つまり、NTT側の価値判
断が優先されるのではなく、公序良俗に反しないなど基本的条件を
満たせば、企画の善し悪しを問わず情報提供を公平に受け入れるを
形になりそうなのである。これは朗報だ。iモードのオープン化を
求める総務省の意向がLモードに先行して適用される形となった訳
で、もし実現すれば、情報ビジネスの活性化が期待できる。