格安電報サービス
縮小市場に民間参入で
NTTの電報事業は苦戦模様

 インターネット全盛の時代にあって、電報の利
用は減りつつあるものの、NTT東西では、いま
だ年間2500万通強を取り扱っている。調べてみる
と、その53%が弔電、33%が祝電(平成15年度)
となっており、もっぱら慶弔ニーズで生き残って
いると言える。しかしながら、2002年から民間に
よる格安電報サービスが始まり、縮小傾向にある
市場に、7,8社が参入し、しのぎを削っている
ようだ。

 最初にサービスを始めた 「Very Card」は、総
務省の認可を取り、全国の赤帽組合連合会と提携
し、即日配達を実現した。これに続いた「エクス
メール」ほか各社は、配達には、いずれも翌朝十
時郵便などを活用しているようだが、さまざまな
特色を出して差別化を図っている。「祝電ちゃん
・弔電くん」は、会社ロゴ・サイン・写真をカラ
ー印字できるのが売りで、「文亭(ふみてい)」
は、祝電に特化し、クリエーターによる絵のある
電報を謳っている。弔電に特化している会社もあ
る。「ぬいぐるみカード」は、その名の通り、ぬ
いぐるみをプレゼントすることがメインだ。すで
に「どらえもん電報」など既存電報でも似たサー
ビスはあったが、ここでは26種類ものぬいぐるみ
から選べる。

 従来の電報は、字数とカード代で料金が決まり、
平均2400円程度だったのに対し、民間サービスで
は、インターネットで受け付け、どの会社も、一
律定額1000円前後と半額以下だ。選べるカードの
バリエーションも多く、すでに書いたように付加
価値も高い。さらに、文章も 300字程度まで同料
金であり、確実に配達されるならば、この差は歴
然としている。電話やFAXでも受け付けている
ケースでは、どこも割増料金だが、それでもNT
Tよりははるかに安く、今後、こうしたサービス
が知れ渡るにつれ、急速にNTTの電報の利用が
減っていくことは間違いなさそうだ。